息子の運動会の目標

 運動会で2番を目指す息子と、親の無条件の愛を描いたイメージ

息子に「運動会の目標は何や?」と尋ねると、「かけっこで2番になること」と答えます。
1番ではないのか、なぜ2番なのかと不思議に思いました。
もっとも、「2番でもなかなか高い目標やないか」と思う人もいるでしょう。

ところがさらに「何人で走るの?」と尋ねると、「2人」と答えるのです。
つまり、二人中の2番。表現を変えれば最下位です。

普通は「最下位になる」なんて言葉、なかなか口にできません。
私も毎晩、晩酌をしながらホークスを応援していますが、
もしホークスが「今年は最下位を目指します」と言って、
連敗しては喜んでいたら――さすがに応援をやめてしまうでしょう。

けれど、私も妻も、息子のその言葉には思わず笑ってしまいました。
「2番になりたい」というその素直な思いが、なんともいとおしく思えたのです。
結果や順位に関係なく、ただそのままの姿でいてくれることがうれしい。

息子の“2番”という言葉を通して、私たちは改めて気づかされました。
親の愛とは、何かを成し遂げたから注ぐものではなく、
どんな結果であっても、ありのままを受けとめていく――
そんな無条件のものなのだと。

そして思うのです。
子どもをありのまま受けとめながら、
実は私もまた、如来にありのまま受けとめられている。
そんなことをしみじみと感じさせられた一日でした。


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